八ヶ岳便り -2- (寒得 samutoku)

TOMOKOです。夏は大人気の観光地八ヶ岳ですが、はっきり言って冬は閑散としています。雪がないので、スキーができるわけでもないし、ほとんどのお洒落な店舗は閉まっています。外はただひたすら寒いので、できれば外出したくない、と誰もが思うのですが、それでは困ってしまう人たちもいるわけです。そこで、なんとか家の中から人々を引っぱり出そうと考えられた企画が「寒得」です。


午前10時に清里駅前の観光案内所の特設寒暖計を観測点として決定されるのですが、その時の気温に応じて割引率が変わります。マイナス5℃以下になると参加店舗全店、なんと50%offになるというのですから、寒い!なんて家で縮こまっているわけにはいきませんね。寒いほどお得!というわけでsamutokuなのです。


そこで私たちもマイナス5℃になったある日、ランチタイムに出かけてみました。我が家から車で約15分、清里 萌木の村の中にある「ROCK」というレストランです。そこで評判のカレーを食べよう、と行ってみてもうビックリ!広い店内はすでに満席で、さらに50人もの人たちが並んで待っていたのです。一体どこからこれだけの人が湧き出たのか、と唖然としてしまいました。欲に目が眩んだのは私たちだけではなかったのですね。


ボリューム満点のビーフカレー半額540円をたいらげた後、お土産用地ビールも半額で購入、さらにメイフェアー食品館では大人気のドレッシングも半額でゲット!と、大興奮のあまり寒さもすっかり吹っ飛んでしまいました。ああ、人間とはなんとゲンキンなものでしょうか・・・。


「寒得」企画は大当たりです。この時期、八ヶ岳観光エリアのいろいろなところでパンフレットが入手できますから、冬に八ヶ岳にいらっしゃった方は先ずはパンフレットを手に入れてみてくださいね。ちなみに今年は2月18日迄で、最終日は気温に関わらず全店50%offになるそうです。(開催時期は毎年天候によって変わるそうです)


さて、こんな企画でもなければ人々を家から誘い出すことが難しいくらい八ヶ岳の冬は厳しいのが現実です。夏の間あれほど緑が美しかった家々の庭も、今はすっかり葉を落とし、霜にひっくり返された土があちこちにむき出しになっています。林の中からは鹿の悲しげな声が聞こえてきます。別荘の家の窓は締め切られ、人通りもありません。静寂という言葉はこんな時のためにあるのでしょう。そんな静けさの中、窓から見える背の高い白樺やカラマツの木々のシルエットは、まるで繊細な切り絵のようです。そこに沈んでゆく夕陽の黄金色の光が透けて見える様は、心がじぃんとなるような美しさです。こんな光景を見たら、寒い季節も悪くない、と呟きたくなるのはきっと私ばかりではないでしょう。

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ブッタフィールドを探求するグループ

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