親子のシナストリー


chiyoです。

家の誰かが職場からもらってきたと思われるえびせんべい。


「あっ、蠍座だ!」


なんて思ってしまった。



いやはや、、、



星座せんべいじゃないから、、、笑




* * *



今回は親子のシナストリー(相性図)をご紹介します。

これは承諾を頂いた上でのプライベートケースなので、名前、詳しい生年月日は非公開とします。




美容師として働いているお母さん(Mさん)は、中学生の娘さん(Yさん)とどう接したらいいのか分からなくなってしまった、とのことでした。

Mさんは21才のときにYさんを出産し、いわゆる「でき婚」したあとで、見習いから叩き上げで美容師として働いてきた根性の人です。

その娘さんが中学生になり、Mさんとしては

「いろいろなことにチャレンジして沢山学んで立派な大人になってほしい」

と考えているのですが、当の娘さんは忍耐力がなくチャラチャラして、ワガママで気分屋で無駄遣いばかりして、とても心配(Mさん談)なのだそうです。

Mさんがきつく言っても喧嘩になるだけで何も改善されない。

MさんはYさんの幸せを願っているのに、Yさんにはうるさがられる。

もうどうしたらいいのか分からない。

ということでした。




これはMさんのホロスコープです。


水瓶座の太陽と獅子座の月

愛されて自分の存在感をアピールしていきたい欲求を、周囲を巻き込んでその場を良くしていく、という行動エネルギーを持っています。

どちらかというと男性的で意志が強く、働き者でサバサバした印象です。


MC軸に乗った月と火星のオポジション

けっこう怒りっぽいところがあるようです。

ご本人に確認すると、やはり瞬間湯沸かし器的なところがあると自覚されていました。

でも、これは後を引かない怒りっぽさですね。

その場で言ったらそれでおしまい!的な。

火星は水星とコンジャンクションなので、ついつい言ってしまうのでしょう。

しかしそれはバイタリティでもあるので、自然と頑張りやさんになるでしょう。


土星と木星のコンジャンクション

何らかの使命感のような、「やると決めたからにはやる」という意志の強さをお持ちのようです。

金星とスクエアなので、美的なものに関して一種のポリシーがあるようです。


全体的に天体が東側に偏っています。

東半球の強調は、なんらかの防衛的な態度を表します。

また自分の能力を見せていくことで活路を切り開いていく、というパターンをお持ちです。



3ハウス水瓶座のステリウム(太陽、水星、火星)

個性的かつ人道的で斬新な感覚をコミュニケーションを通して表現、提供していくこといで、周囲から価値を認められたいという欲求。


キンタイルは4個(創造性を表現する場が必要)、美的なことに敏感な天秤座が三つ(土星、木星、冥王星)ということもあり、美容師という職業はMさんにぴったりのようです。


土星と金星のミューチュアルレセプション

MCからのディスポジター上にあるので、この場合「美的感覚と仕事」と単純に理解することも可能なくらい分かりやすいです。



* * *


娘さん(Yさん)のホロスコープです。

ファイナルディスポジター(自身のサインを持つ天体)が4つもありますね。


獅子座の太陽*、蟹座の月*

感情を共有することで安心感を得たいという蟹座の欲求を、周囲に存在をアピールしていく獅子座のエネルギーを使って満たしていきます。

太陽が獅子座なので男性的かと思うかもしれませんが、その行動の動機は

「自分の気持ちを分かってほしい、同意して欲しい」

というものです。

蟹座の月は、一日のなかでも朝昼晩で感情が変わると言われているほど、とてもセンシティブです。


まず、この繊細さをお母さんのMさんは理解する必要があるでしょう。

獅子の太陽なので、一見そうは見えないのかもしれませんが、

娘さんは思いのほか神経質で、不安になりやすく、感情が振れやすいのです。

この気分の振れやすさを獅子座的に表現するとなると、チャラチャラしてワガママに見えてしまうのかもしれません。




ノーアスペクトの月*

蟹座の月はノーアスペクト、しかも自身のサインにあるファイナルディスポジターです。

さらにオーブは広めですがアセンダント軸(自己イメージ)に乗っています。

さらに1ハウスの海王星から強力な注目を受けており、とても強調されています。


海王星は夢や理想などを現しますが、この場合1ハウスにあって2ハウスを支配しています。

Yさんの「自分」というイメージは、気持ちを理解されてはじめて価値を感じることができるのです。

Yさんにとって何よりも大切なことは「周囲に自分の気持ちを理解してもらえるかどうか」

と言っても言い過ぎではないでしょう。



海王星と太陽*、火星がオポジション

月に対してクインデチレだった海王星は、太陽*と火星にはオポジションです。

オーブが広めなので、海王星qd月*ほどは強烈ではないですが、やはり、自己主張ということに関しては一歩も引けないところがあるようです。

お母さんのMさんも太陽と火星のクインデチレを持っていて、怒りっぽいという自覚がありました。Yさんはコンジャンクションなので、やはり怒りっぽいのかもしれません。

「Mさんが何か言うと喧嘩になる」というお話でした。

ちょっとの刺激でバッと火がついてしまう感じ、とでも言ったらいいでしょうか。


ただ、MさんとYさんとでは「怒り」の方向性が違います。

Mさんは水瓶座の太陽だし、母親ということもあり、「相手を良くしてやろうと思って」怒る。

Yさんは「気持ちを理解してもらえなかった悲しみ」によって怒る。

ここで食い違いが起こっています。



7ハウスのステリウム(月*、木星、太陽*、火星、水星*)

このステリウムは強力です。

5つもの天体が在住しているうえに、アセンダント軸上の月を含め、ファイナルディスポジターが3つもあります。

Yさんの人生のテーマはずばり「人間関係」です。

人間関係を通して、自分の感情をプロセスしコントロールすることを学ぶこと。

ここが「自身の能力を提供して、みんなを良くしていく」というテーマを持ったお母さんのMさんとは大きく違うところです。


Yさんはディセンダント付近に天体が固まっており、自分の意志よりも相手(周囲)の意思を優先する傾向があります。

本来、獅子の太陽はこのようなことを良しとしません。

この部分はとても繊細で、Yさんにとってはジレンマを抱えやすいのです。

(あとで聞きましたが、Yさんには10円禿げがあるそうです)



天王星*と水星*のオポジション

どちらもファイナルディスポジターで強いです。

天王星*は1ハウス、水星*は5、6、8ハウスを支配。

6ハウスと8ハウスの組み合わせは、癒し方面を連想させます。

Yさんには「たのしい会話を通して相手を和ませる資質」があるかもしれません。

天王星は他にはない個性的な資質や人道的な側面なので、うまく伸ばしてやれたらYさんの魅力の一つになるでしょう。



土星と金星のスクエア

お母さんのMさんは土星と金星のミューチュアルレセプションをお持ちでした。

Yさんも美的な何かに携わると良いのかもしれません。

また土星=父親という見方をすると、(土星は逆行していないので)お父さんとの関係は良いようです。

(とても仲がよいということでした)

すごく年上の人をパートナーに選ぶ、ということも稀にあるみたいです。

ある意味Yさんは相手次第というところがあるので、とても興味深いと思います。


この部分で、Yさんはお母さんのMさんをとても参考にしているし、助けられていると思います。

Yさんもきれいなものが大好きなのです。

Mさんが「チャラチャラして無駄遣いする」と言っているのは、

Yさんなりに「素敵だ」と思っているものを選んで投資しているということに他なりません。

他にも美容師であるMさんが選ぶ化粧品の数々は、とても斬新で(水瓶座らしい)素敵に映るのでしょう。(メタルックブルーのアイラインとか)

時々「貸して欲しい」と言われるのだそうです。




* * *


Mさん(母)とYさんのシナストリー図です。

内側がMさん(母)、外側がYさん。

Mさんから見たYさんです。

黄色い線の部分がとても興味深いです。

Mさんの3ハウスとYさんの9ハウスが真っ向から対決しています。

3ハウス9ハウスはコミュニケーションがテーマです。

どちらにも太陽と火星が入っているし、見るからに口げんかしていそうな(笑)表示です。

Mさんの冥王星がYさんのセンシティブな月*にスクエアで、圧力をかけています。

さらにお互いの天王星同士が不動サインでスクエア、、これは衝突するでしょう。

お互いに一歩も引かない感じです。



アスペクト表です。


緑の線で結んだ天王星同士より内側(土星は関わっていないようです)を見ると、

沢山のオポジションとクインデチレがあります。

これだけお互いが注目しあい、強く慕いながらも、時には反発しあっていることが分かります。そして、それは「パーソリティー」に限ったことである、ということです。



これを何とかするには何が必要なのでしょうか。


ヒントは「怒りの方向性が違う」というところです。

Mさんはワガママを言わず努力して力をつけ、周囲に貢献することを良しとしているので、

Yさんの「感情第一」という根源的な欲求を理解していませんでした。

Yさんが彼女の持ち味を十二分に発揮したら、巧みな対人スキルと話術で人に癒しをもたらす人になるかもしれません。

しかしYさんは人一倍傷付きやすいハートの持ち主です。

Mさんは良かれと思ってYさんに忍耐や努力を教えようとしていました。

しかしその前にYさんには「沢山話しをして感情面で納得していく」という一手間が必要なのです。


Mさんは忙しい人ですし、理性偏重で短気なところがあるので、Yさんに対して「感情にじっくり付き合う」という発想がなかったのです。

それから、Yさんは「努力して目標達成することを重要視するタイプではない」というところも重要です。

相手次第でどうにでもなってしまう危ういところもありますが、

しかし裏を返せば、相手次第では努力なしで豊かでいられるということでもあります。

「人を見る目があれば素晴らしい人間関係を築ける」ということです。


Yさんには努力や忍耐を教える前に、人を見る目を養うことが重要なのです。

そのためには風通しのよい環境でよく話し、自己認識をしっかりとしたものにしていくことが大切なのです。





* * *


おまけ:

Yさんから見たMさん(お母さん)です。

内側がYさん、外側がMさん。

大方は同じですが、ハウスの位置が違います。

黄色い線のところ、Yさんのキモである7ハウスにMさんの1ハウス(自己主張)がガッツリ関与しています。

Yさんにしたら「ああ、もう、うるさいな!」といった感じでしょうか。


でも、救いは青い線のところ、

Yさんの海王星とMさんのMC上の太陽/月のミッドポイントがスクエアです。

Yさんはある意味Mさんを理想の人として見ているのではないでしょうか。

またYさんの土星とMさんの海王星がオポジション。

YさんのこれからのことをMさんがとてもよく見守っていると思います。



なんだかんだで素敵な母娘です。

この事例は少し前のものなのですが、Yさんは現在高校生になっていて、練習が厳しくて辛すぎた吹奏楽部を辞めて(笑)ダンスクラブに入り、高校生活をエンジョイしているようです。


MさんはYさんに「努力」させるのを止め、それ以来無用な衝突をすることは少なくなったということです。

さらに、「勉強」させるのも諦め、

「Yはネイリストにでもなったらいいんじゃないかしら」

なんて言うようになりました。


Yさんがこれからどうするのかは分かりませんが、Yさんも美的なことに関心があり、キンタイルも4個あるので、

ネイリストはいいかもしれないと、私も思ったのでした。


これからも沢山話して、理解して、

衝突し合う関係から、よい刺激を与え合う関係にグレードアップして行けたら素敵ですね。



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大変なボリュームになりました。


でもシナストリーは面白いです。



「Mさんの感想」を載せたかったのですが、聞いてないので勝手には書けません。


ちゃんと感想聞かないとダメじゃないですか。



ねえ?


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